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WEB連載「飲食店経営」共同企画「ほめ育」のススメ

 


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第7回 「ほめ育」は働きやすい環境をもたらす

問題の原因は、店長ではなくその上司にある

私には現在68社の顧問先があります。そのほとんどがチェーン企業です。

現在、規模30店舗ほどのチェーン企業さまに、ほめ育マネジメント研修を行っていますが、おおよそ3カ月程度で効果が表れてきます。効果が表れてくるのは、30店舗中10店舗くらいです。他の20店舗は、まだはっきりとは出てきません。

正確には、20店舗のうち10店舗の店長は、「こんなのやっても、あまり意味がないと思う」とか、「ほめると駄目」と思っています。要するに変化に弱い人間です。新しい文化・習慣にはなかなかついていけないものです。

こういうときに、私は決まって、「待ってあげてくださいね」と人事部長や経営者に言います。上杉鷹山式に考え、火種を見つけて風を送る作業を地道に、継続していくことも「マネジメント」ですから。

ただし、きちんとした「ほめ育」を学び、現場で生かしているリーダーは、どんどん売上げを上げていっているのも事実です。原因は、変われない店長にあるのではなく、今までの環境にあります。ということは、店長の上司に原因があるのです。事実、原因上司論を唱えている企業が組織力を強くしていっているのですから。

では、変われない店長に対して、今からどういう環境を与えていけばよいのでしょうか。この場合は、プラスの焦点で考え、行動するしかありません。

 

「ほめ育」は頑張る姿勢をつくる

人材が集まらない、育たない時代に本格的に突入しました。読者の皆さんも感じていることではないでしょうか。

もうすぐワールドカップがありますが、サッカーでいえば、11人がそろわずに、9人や8人で戦うのと同じことです。

立地や料理、メニューにだけ力を入れれば繁盛したという時代は完全に終わったのです。

ほめ育導入企業(例えば30店舗)で、5人くらいのほめ育に乗り遅れている店長がいます。

「ほめても……そんな甘いこと言って……スタッフが調子に乗るだけだよ……」と思っている人もいるかもしれません。

何でもかんでも、ほめるというのでは駄目です! しかし、ほめ育の効果を実感していただくと、もうほめ育から離れられないマネジメントの考え方になります。

今からご紹介するのは、私の研修によってほめ育の効果を感じている店長から、まだほめ育を自店に取り入れていない店長への、メッセージです。

私も含め、人は、ほめてもらうとうれしく感じます。そしてもっと認められたいと頑張ることによって、一生懸命に仕事に取り組んでくれるということを「ほめ育」を通して感じることができました。良い部分はほめ、改善しないといけないところは指導をすることにより、お店全体の方向性が出来上がることが実感できます。従業員も何をすれば認められて、何をしてはいけないかがはっきりとして、働きやすい環境が生まれてきています。

さて、いかがでしたでしょうか。とはいっても、いつほめシートを書くの? そんな時間ない。営業が終われば、シフト作り、本部への資料提出、売上目標達成できていないからよく練れない……。

よく分かります。事実、厳しいのはとてもよく分かります。コンサルタントが現場に提案するのは、正論ですから……。

しかし、同じように苦しんでいる仲間が、ほめ育を実際進めているのです。

 

アルバイトの存在が会社の売上げを変える

アルバイトの存在が会社の売上げを変える早速行動してみませんか。

まずスタッフをほめてみませんか。「ありがとう」を言ってみるところから始めてみませんか。

昨日と同じようにする必要は、まったくありません。急にキャラクターを変え、明るく元気に前向きに、そしてほめ言葉を言うリーダーになっても、誰にも迷惑を掛けません。

先日、上記企業のほめ育研修内で、ものすごく成長したアルバイトがいると報告を受けましたので、アルバイトインタビューにお店に行ってきました。入社して半年の高校2年生の女の子です。アルバイトは人生初だそうです。

その子がレジに入ると、単価が上がるのです。プラス100円で、ソフトドリンクをお薦めしているのです。しかも、自分で考えて右斜め下から、笑顔でのぞき込むように「プラス100円でソフトドリンクいかがですか?」と。今までの記録は、1日37杯だったのですが、半日で55杯以上販売するのです。このお店では、全スタッフで共有し、また30店舗規模のチェーンですので、他の店長にも共有しています。

一人のアルバイトの頑張りが、企業の売上げを変えるのです。それが、ほめ育の極意です。

このお店には、まだまだ良いことが起こります。採用です。高校1年生が「ここで働きたいのですが、面接してもらえませんか?」と来たり、パートさんが友達3人を紹介したり、人手不足がどんどん解消し、売上げは上がる&採用募集費は下がる=利益が倍増―――こんな簡単な数式をほめ育は実現してくれるのです。

もちろん、最初にやり始めた店長が一番素晴らしいのです。時代は変わりました。人件費は、コストではなく、資本であり資源です。

次回は、ほめ育チラシの作り方をお伝えします。育成と販促は常に両輪です。チラシを使ってどうほめ育をするのかをお伝えしましょう。

【今月のポイント】 「ありがとう」を1日10回言ってみるとか、考え過ぎずにまず行動してみましょう。

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