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連載 経営者のための「ほめ育のススメ」

 


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HOME  > 経営者のための「ほめ育のススメ」  > 第6回 ヤマト運輸 育成戦略部長の高橋暢晴氏

 

(左)原会長と(右)高橋部長第6回の対談は、ヤマト運輸、育成戦略部長の高橋暢晴さん。お客様、社員、社会などに対して多くの満足を創造するため、2008年11月からスタートした「満足BANK」制度。蓄積ポイント数に応じて4種類のバッジを贈呈する制度だが、他にもヤマト運輸では、お客様からの喜びの声を現場社員へ伝える様々な制度が存在する。今回は高橋さんとの対談を通して、社員への想いを形にすることの大切さについてお伝えします。

 

これだけ大きな組織で「満足BANK」を浸透させていくご苦労と喜びがあるかとは思いますが、その他に社内での表彰制度や社訓の浸透など、もしくはこれらのシステムの将来的な展望などはありますか

例えば、「ヤマトファン賞」という表彰制度があります。お客様からいただいくお褒めのメールや電話を、社員の顔写真や上司のメッセージを添えて社内イントラに掲載し、全社で共有することで、応対品質の向上を図っています。他にも年に2回、社員の取り組みによる組織の活性化や業務効率向上の具体的成功事例を水平展開することを目的として、業績表彰発表会を行っています。自分のやってきたことをみんなに聞いてもらえたり、他の社員の参考事例にもなるので、モチベーションの向上に繋がっていると考えています。 

また「永年無事故運転者表彰式典」というものを設け、無事故の運転年数または走行距離に応じて、無事故セールスドライバーの表彰を行っています。それぞれの年数や距離に応じて、ダイヤモンド賞、金賞、銀賞、銅賞、セーフティ・ドライバー賞を贈呈しています。

「想いを形に」を継続するのが私たちのテーマの1つでもあります。「ほめているでしょ?」「いえ、ほめられていませんよ」というコミュニケーションにならないために、表彰という“形”にすることで、「相手をほめたい」という想いを表現する大変素晴らしいシステムですね

ヤマトファン賞を受賞した社員には、会社から楯を贈呈しています。サービスセンターに集まるお客様からのお褒めのメールや電話は、匿名のケースや個人名をいただくケースと様々なのですが、必ず社員本人に確認し、ほめる機会を創出しています。

お客様からの電話やお手紙ということは、基本的に“待ち”ですよね。それでも相当数の喜びの声が寄せられるというのは、凄いことだと思います。ほめる文化はどのように創られているのですか

お客様からお褒めのお言葉をいただき、社員のモチベーションが向上し、さらにいいサービスを提供しようと業務に励む、という品質向上のサイクルが生まれていると考えています。そのために第一線の現場の社員を朝礼などの場で直接ほめることが大切です。みんなの前で 「おめでとう」と伝えることで、本人のモチベーション向上になり、周りの人と共有することができます。弊社としてはこういう形でほめる文化を醸成しています。

実際のお客様からの声というのは、ほめられる側にとって何よりの励みになりますね。私たちも売上げアップに繋がる現場スタッフの行動を見つける糸口として、「お客様の声」に着目します 

東日本大震災のときに被災地の社員が行った救援物資の輸送や救助活動などの自発的な行動で、多くの「お客様の声」が寄せられました。「おかけで生き延びることができました」や「元気を取り戻せました」という声です。制服を着ていますから、道を歩いているだけでお客様からお声掛けいただく機会が多数ありました。

-当たり前ではない、ということを認識して、サービスを提供する側、される側のお互いが感謝をしていける取り組みを進めることで、日本の良さをもっと発信していきたいですね。本日は、ありがとうございました。

 

【高橋暢晴氏(写真右)プロフィール】
1966年、富山県滑川市生まれ。京都大学教育学部を卒業後、ヤマト運輸に入社。関西地区を中心に、業務効率向上、営業開発担当、支店責任者等を経て、現部署に配属。お客様からの「お褒め」、職場の仲聞からの「ほめ」が社員育成の重要な柱と位置づけ、「ほめる文化」の定着を推進している。

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