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スパイラルアップ株式会社 代表 原 邦雄
株式会社スパイラルアップ |
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第5回の対談は、たねやグループCEOの山本昌仁さん。バームクーヘン革命を起こした「クラブハリエ」を経営し、菓子市場が縮小する中で創業140年の老舗和菓子屋「たねや」の増収増益を実現。昨今は、オーガニックへの熱意を具体化するため、製造から販売までを行う一大拠点として3万5000坪の土地を滋賀県に取得。人材難と呼ばれる現代において、毎年、多数の就職希望者が応募をしてくる現状である。今回は山本さんとの対談を通して、人が入ってきたくなる会社についてお伝えします。
御社の従業員育成の考え方をお聞かせください
現場に入っての実践に重点を置いています。2年目の従業員が、1年目の従業員を教える。社歴が長い従業員だと経験がある分、大枠でしか話せないところがあります。もっと掘り下げて教えるためには、2年生が教えることがベストです。学んだことを教える立場になってこそ、人は成長するもの。研修においては、2年生の従業員にとっても一番の教育だと思っています。
もう1つは会社での目標を持ってもらうことです。プロの職人を目指す、店長を目指す、部長を目指す、などの会社での目標がないと意味がありません。自分の目標に沿って進めていくことを入社当時から伝えています。
店長になったら店長になったで、いつまでもガミガミ言うのではなく、任せることが大事だとも教えています。弊社では支配人を中心にドラフト会議をして店長がどの従業員を引っ張りたいかを選んでもらいます。自分が選んだ人間なので、責任をもってその従業員を育ててもらいます。
上に立てば立つほど人の話を聞き、夢を語り、それを現実にすることが必要になってきます。たくさんの人がいて自分がある、その感謝の気持ちを持つのならば、自分が教えてもらったように次の人にも教える力を持たないといけません。教えても自分がそれ以上のことをすれば一歩成長できます。するとリーダーも部下も育っていきます。常に前を見ることを大事にしています。
これは会社の代々の考え方で、父から受け継ぎました。
ほめることや、従業員の長所を伸ばす、という観点で取り組まれていることはありますか
人には適材適所があって、それを理解するためには、その人のことをよく見ていかないといけません。よく知るためには仕事上の付き合いだけでは足りないので、私はできる限り時間を作って、一緒に食事をしたり、旅行に行ったり、バーベキューをしたりして、お互いのことを理解するようにしています。その中ではぶっちゃけ話も出てきます。会社の中では聞けない話なので、それも大切にしています。
私はどちらかというと仕事中は厳しく言う人間なので、そんな私がメールなどで「ありがとう」というと、とても喜んでくれたり、「この仕事やってて良かった」と思ってくれるみたいです。ただ、ほめるだけで“なあなあ”な関係になって、お兄さん役になってしまうリーダーは良くないと思っていて、オン・オフをしっかりとわきまえさせるようにしています。ほめることは大事ですが、何でもかんでもほめていたら「なんでもOKな会社」になってしまうので、ポイントを置きながら、みんなが言っていくことに重点を置いています。
ほめる基準を明確にしてほめることは弊社にも通じるものがあります。
最後に、人材採用で悩まれている経営者に対してのメッセージをお願いします
絶対的な魅力がその会社にあるかどうか、ですね。弊社では半年に一度、社会に貢献する賞を獲った人を表彰する祭をしています。がんばったら評価されることを明確にすることで、翌年に入ってくる新人はそういう情報を知って、弊社に入ろうとしてくれるのです。そこに魅力があれば、人は集まってきます。それは会社も街も同じです。
【山本CEOプロフィール】
1969年、滋賀県近江八幡市生まれ。 1990年、株式会社たねやに入社。 1994年、第22回全国菓子大博覧会にて最高賞「名誉総裁工藝文化賞」を24歳で受賞(最年少受賞)。2011年、たねや四代目を承継。株式会社たねや代表取締役社長、株式会社クラブハリエ会長に就任。 2013年、たねやグループCEOに就任。